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PCオーディオ「Linux最強」は本当か?導入編

PCオーディオを実践するなら、今はWindowsでもMacでもなくLinuxという話を聞きました。音声ドライバーの性能が非常に良い事に加え、Windows等と比べて動作が軽い事、バックエンドでのプロセスが少ない事など、PCオーディオとして使用するのに都合の良い条件が揃っているのだそうです。ちょうどWindowsXPサポート終了後に放置していたノートPCが一台ありましたので、Linuxをインストールして音質を検証してみることにしました。

ディストリビューションの選択とインストール

Linuxには様々な種類のディストリビューターが存在するのですが、今回は人気の高い「Linux mint」をインストールすることにしました。ユーザー数も多く、ネット上でも様々な情報が出てくるので後々便利というのも導入を決めた理由です。更に今回は日本語化などの手間を省くため、Linux Mint 17.2 Rafaela 非公式最新アップデート日本語ISOを利用しました。

初めにLinuxをインストールしないメインPCで作業を開始します。上記のサイトよりlinuxmint-17.2-cinnamon-nocodecs-32bit-kuma0815.isoをダウンロードし、USBメモリを挿入の後、linuxliveusbを利用して起動用USBメモリーを作成します。(linuxliveusbは起動USB作成に大変重宝しました。)

キャプチャ

インストール側のPCはBIOSの設定で1st-BOOTをUSBメモリーに設定、先ほどメインPCで作成した起動用のUSBメモリーを挿して電源を入れます。程なく、Linux mintの画面が映しだされますので、画面上の「インストール」アイコンのダブルクリックすればインストールをが始まります。

地域、wifi、名前やパスワードの設定などを経て、インストールは完了です。Linux mintはユーザーインターフェースもなかなか洗練されており、単純にOSとしても扱いやすいという印象を受けました。(余っていたXPに入れるとなんだか得した気分になります。)

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音をだす前の準備

はやる気持ちを抑えて、まずは設定を変更して高音質化します。Linuxのカーネルをlowlatency(低遅延)化するという設定で、処理上の遅延を低くすることにより信号のロスを防ぐというものだそうです。設定は簡単。メニュー画面の検索で「Synaptic」と検索し、Synaptic パッケージマネージャーを開きます(Synapticパッケージマネージャーはアプリのインストールや削除などを行うパッケージ管理ツールです)。

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Synapticパッケージマネージャー内のクイック検索で「linux-lowlatency」を検索し、linux-lowlatency パッケージを右クリックして「インストール指定」、更に「適用」でインストールができます。

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再起動し、Synapticパッケージマネージャーでもう一度「linux-lowlatency」を検索、上図のようにインストール済みバージョンが記載されていればオッケーです。

それでは音出ししてみよう

ネットワークのNASにためてある試聴用ソフトを聴いてみようと、直感でそれらしきところを探してみます。「ホーム」という画面の左下にネットワークフォルダがあるのをすぐに発見。開くとNASがおりました。そのままダブルクリックで普通にフォルダを開いていけば、音楽ファイルまでたどり着けます。この辺はWindowsPCとあまり変わらない操作感です。まずは、私のお仕事机で、デスクトップオーディオとして音出ししてみます。USB-DACはToppingのTP23、スピーカーはYAMAHAのNS-10MMというチープ(?)な環境です。

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(ホームの左下にあるネットワークからNASにアクセスできます。もちろんローカルのミュージックにファイルを置いても大丈夫。)

PCにUSB-DACを接続して出力デバイスを設定の上、ちょっとボリュームを上げ目にしてハイレゾ音源を再生します。「おお、音、いいですね。いいじゃない。うん。でもこの機器でこんなに差が出るかな?プラシーボ?いやいや、やはりlowlatencyの効果が大きいのかな?」というのがファーストインプレッション。確かに、今までの聞き慣れた音よりも良いと感じます。同時に心のなかでは「本当に?」という気持ちもありました。デスクトップはラジオを聞く用で普段はハイレゾを再生しませんから、そのせいでこれだけ良い音に聞こえるのかな?とも思い、いつも通りradikoでFMを試聴してみましたが、それはそれで、やはりいつもより良い音で鳴っている気がします。そこで、今度は店のオーディオで再生してみることにしました。

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(音声出力の設定も分かりやすくて◎)

Linux→DENON→B&W

USBで接続してDCD-SX1でD/Aコンバート、プリメインアンプPMA-SX1へと送り802Dへ出力、Linuxの音が再生されます。うむむ、やはりこれは優秀かもしれません。このところ試聴で用いるビル・エバンスのライブでも、音質の見極めとなる細かな観客のざわめきまでよく再現され、ピアノの音のクリアさ、楽器ごとのセパレーションの良さは、他の高級プレーヤーをPMA-SX1から802Dへ入れた時と較べても大きな遜色はありません。

Screenshot_from_2015-09-08-

もっともこれは、DCD-SX1のDACの優秀さが故に音が良いのだとも考えられます。そこで今度は仕事用のWindows8を使用し、WinPCで同じ音楽を再生してみることに。

WinPCでのハイレゾ再生、Linuxと比べて少々雑味が増えている印象です。全体的に輪郭が薄れ、クリアさが今ひとつ削がれた、薄膜が一枚張られた感じは否めません。もちろん仕事用という事でノーマル状態&プロセス多しというWindowsマシンと比べるのは少々酷かもしれませんが、LinuxがPCオーディオに有利とされる根拠は十分に感じ取られることができました。

LinuxによるPCオーディオ、様々な環境での再生を試してみると新たな発見がありそうです。当店では今後、さらにLinux-PCオーディオの可能性を探っていきたいと思います。

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