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DSD 256対応のNUPRiME IDA-8とuDSDを聴いて分かったこと

NuForceのハイエンドブランドとして認知され始めてきたNUPRiMEのIDA-8uDSDが話題を集めています。NuForceならではのコンパクトさに加え、DSD 256対応という最新スペックなど、魅力的な要素を内包した両機を試聴することで見えてきたものとは。

そもそもIDA-8とuDSDとはどんなモデルなのか!?

まずはそれぞれのモデルを簡単におさらいしてみたいと思います。

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プリメインアンプのIDA-8は、型番や見た目から想像するとNUPRiMEの1号機IDA-16のハーフサイズ版という印象を持ちますが、その中身はかなり異なっています。

IDA-16がDDA-100から受け継がれたデジタルダイレクト処理とスイッチング電源による、ピュアネスとダイレクト感を重視しているのに対し、IDA-8はA級増幅のプリ部とD級増幅のパワー部を持つハイブリット構造と、トロイダルトランスを搭載したリニア電源による、温かみとスピード感の共存した音を目指しています。

いっぽうUSB-DACのuDSDは、以前NuForceから発売されていたIcon uDAC同様、入力はUSBのみという最少サイズのD/Aコンバーターでヘッドホンアンプも内蔵しています。ただし筐体は堅牢になり、質感が格段にグレードアップしています。

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両機共にUSBの対応フォーマットが現在最高峰の384kHz/24bitとネイティブDSD 256をサポートしているのは、ややフォーマット先行の感はあるもののスペック面での大きなアドバンテージになるでしょう。

まずはIDA-8でDSD 256とDSD 128の音を比較してみます

IDA-8がDSD 256(11.2MHz)の対応機器ということもあり、せっかくなのでDSD 128との比較を行ってみました。というのも、以前DSD 128(5.6MHz)を聴いた経験から「これ以上のフォーマットって必要なの?」という疑問を持っていたからです。

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今回の試聴はfoobar2000にDSD再生用のコンポーネントをインストールして行っています(IDA-8とuDSDのUSB入力はMacではDSD 128までの対応)。

簡単に手順を紹介すると、まずフューレンコーディネートのホームページからNUPRiME製品共通のドライバーをインストールします。

続いてDSD再生用に必要なASIO出力プラグインSuper Audio CD Decoderプラグイン(バージョン0.8.4)をインストールします。

インストールが終わったらfoobar2000を立ち上げて設定を行います。IDA-8はASIO2.1とDoP(DSD over PCM)どちらの方式でもDSD再生が可能ですが、今回はASIO2.1での再生を試みます。

まず「File」から「Preferences」を選択し、「Output」の中の「ASIO」で「foo_dsd_asio」をダブルクリックしするとウインドウが開くので、DACに対応するドライバー(ここではNUPRiMEドライバー)とASIO Nativeを選択します。

キャプチャ

次に「Output」をクリックしDeviceに「foo_dsd_asio」を選択します。

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最後に「Tools」→「SACD」でOutput Modeを「DSD」変えたら設定終了です(この設定はuDSDも共通)。

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スピーカーには、価格バランスと一般性を考慮してB&WのCM5を使用します。

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音源には、クラシックギターの名手Ricardo gallenによるフェルナンド・ソルのソナタ集を収録した『Fernando Sor – Guitar Sonatas』のDSD 256とDSD 128を用意しました。

Fernando Sor

実際両フォーマットを聴き比べてみると、予想以上に大きな差が出ました。所謂「パッと聴きで分かる」というレベルのものです。DSD 256の方がギターの響きが豊かで、音の密度も濃くなります。このアルバムの録音自体もかなり残響時間の長い部屋で行われていますが、空間に広がる音色の数がかなり増え、音場がカラフルになる印象です。

このアルバムのマスタリング方法の詳細が不明ですので、これがフォーマットのみによる差とは断定できませんが、それでも実際の音にこれほど違いがあると分かったのは収穫でした。凄まじいデータ量になるのでコレクションするには躊躇しますが、DSD 256というフォーマットの必要性も以前よりは理解できました。

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IDA-8の内蔵DACとuDSDを比較してみました

続いてIDA-8に直接USB入力した場合と、uDSDでUSB⇒アナログ変換しIDA-8に入力した場合の音質を比較してみます。

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音源にはA Far Cry/David Krakauerの「Heiliger Dankgesang from Quartet op. 132」とLars Erstrandの「A-Tisket, A-Tasket」のDSD 128、それとJennifer Warnesの「And So It Goes 」のDSD 64の3曲を使用しました。

41+EGQGn63L__SL500_AA280_ MI0002773479 ジェニファーウォーンズ

uDSDの音はカラッと明るく非常にエネルギッシュな音で、DSDをPCMのように再生する印象ですが、IDA-8の内蔵DACと比べると、音色がやや淡白で、若干硬質感があり、全体的にざらついた感じがします。

しなやかさ、表現力、豊かな低音という点でIDA-8の内蔵DACの方が勝っているように感じました。念の為に96kHz/24bitの音源で確認しても同様の結果で、サ行の穏やかさや音の繊細さで僅かにIDA-8に軍配が上がり、フォーマットによる音質差もより明確でした。

IDA-8とuDSDそれぞれの印象とお奨め活用法

IDA-8の内蔵DACとの比較では若干分の悪かったuDSDですが、ヘッドホンアンプもチェックしてみようと思い、BA方式のカナル型ヘッドホンWestone4を繋いで先ほどの音源を聴いてみたところ、スピーカーで聴いたときの不満はほぼ解消され、確実に音の品位が上がりました。

IDA-8との音質差はバスパワーの影響だと思っていたのですが、uDSDはヘッドホン出力にプライオリティーを置いて設計されているのかもしれません。そう感じさせるほどヘッドホンで聴く音には価格を超える質の高さを感じました。

uDSDは同軸デジタル出力を持っているのでD/Dコンバーターとしても動作しますが、対応周波数が192KHzまででDSD出力もできないなどせっかくのスペックが発揮されません。そう考えるとuDSDが最も真価を発揮するのはUSBヘッドホンアンプとしての使用かもしれません。

IDA-8の方はA+D級ハイブリッド振幅ということでどのような音になるのか興味がありましたが、その音はスピード感のある明るくクッキリとしたもので、どちらかというとD級アンプの特徴を色濃く感じさせるものです。それでも、スピーカーに使ったCM-5から出てくる腰の据わった音に、従来のD級アンプとは違う可能性を感じました。

IDA-8のスタイルやスペックからイメージされるのはコンパクトでシンプルなPCオーディオシステムですが、実力的には同価格帯のインテグレートアンプを凌駕するものを持っています。鳴らしにくいスピーカーとの組み合わせでは真っ先に候補に入れて欲しいモデルです。

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[販売ページ]

■NUPRiME プリメインアンプ IDA-8 [シルバー]

■NUPRiME プリメインアンプ IDA-8 [ブラック]

■NUPRiME USB-DAコンバーター uDSD

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