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Sound WarriorのUSB-DAC「SWD-DA20」が楽しすぎる件

 

城下工業株式会社が展開するオーディオブランド「Sound Warrior(サウンドウォーリア)」より販売されているDSD11.2MHz対応のUSB-DAC「SWD-DA20」。発売当初より大変気になっていた一品です。『入力された音源データを出来る限り高品位にアナログ変換し出力する』とう設計思想からくる音質のクオリティはもちろん、サンプリングレートコンバーターによる音源データのアップサンプリング、PCM⇔DSDのリアルタイム変換などを実機を利用して検証してみましたのでご紹介したいと思います。

基本性能をチェック!まずはUSB-DACとしての性能をチェックしてみます。

CDリッピング、PCM、DSD等で特徴的な4曲をチョイスし、試聴していきます。最初にベンチマークとしてmarantzのNA8005を用意、NA8005のUSB-DAC機能を用いて全曲を聴きました。NA8005はネットワークプレーヤー部分が主になる機器ですので単純に比較するわけにもいきませんが、SWD-DA20よりも実売価格で約1万円程度高いので、ベンチマーク機としては適しているのではないかと考えたのです。再生はWindows/PCよりFoober2000にて、アンプはDENONのPMA-SX1、スピーカーはLINNのMAJIK140といった構成です。

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【今回の視聴曲】

■Jennifer Warnes – [The Hunter CD1 #01] Rock You Gently [44.1kHz/16bit/FLAC]

■Cannonball Adderley – [Somethin’ Else CD1 #01] Autumn Leaves [44.1kHz/16bit/FLAC]

■Yes – [Fragile #08] Mood for a day [192kHz/24bit/FLAC]

■Lars Erstrand 「Lars Erstrand Sessions DSD128 #02」 Afternoon in Paris [5.6448MHz/24bit/DSD]

NA8005で繰り返し聴いて頭に刷り込んだ後、SWD-DA20をセット。機器側の設定は何も変えず、DAC側のUSB端子をNA8005からSWD-DA20へと変更して接続、Foober2000でアウトプットのデバイス設定をSWD-DA20に設定して準備完了となります。

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鮮度の高い明るめの音作り

全曲を通して感じられたのは、SWD-DA20の「活きのいい」という表現がしっくりくるような「元気良い系」の音色です。NA8005のいわゆる「実直で真面目系」を聴いた後ではその特徴がより際立って聞こえます。例えばボーカルの歌声はバックの演奏の中でしっかりと映え、ともすればボヤけがちで眠たげに聞こえてしまう収録も、楽器の音色はエッジが効きシャキッとしたように感じました。総合的な音作りの方向性が良い方向に振れており、これは一般的に「良い音」と感じる方が多いタイプの音作りであると思います。

音の描き分けの妙、ダイナミックレンジの広さ、そして明るく元気の良い音色がSWD-DA20の大きな特徴であると思います。

今回は検証しませんでしたが、クロックジェネレーターと外部クロック接続をして他のディジタル機器(CDトランスポート等)との同期動作をさせることが可能です。マスタークロックの導入は非常に高価なイメージが強く、100万円超えという価格も珍しくない訳ですが、比較的お求めやすい価格でこのような機能を使うことができる意義は深いと思います。

期待のサンプリングレートコンバーターを使ってみます

サンプリングレートコンバーター(SRC)に期待する訳

フォーマットとしての「PCM」と「DSD」を比較した場合、PCMではややきつく感じる音色(例えば高音域での硬質なサウンド)が多く、またDSDでは甘さを感じる音色(例えばアコースティック楽器のウォーミーなサウンド)が多いように私の耳には聞こえておりました。SWD-DA20のサンプリングレコートコンバーターを利用すればPCM⇔DSDをリアルタイム変換し、今まで感じていた違和感を少しでも和らげるのではないかと期待をしてしまいます。

(参考:主観に基づくPCM(ハイレゾ)とDSDの特徴)

 PCM(ハイレゾ) 高解像度/硬質/ワイドレンジ/いわゆるハイレゾ的音質
 DSD アナログ的/柔らか/暖か/地味

 

 

それでは試聴開始!

今回準備した音源を様々なフォーマットにアップコンバートして再生します。

Jennifer Warnes – [The Hunter CD1 #01] Rock You Gently [44.1kHz/16bit/FLAC]

【CDリッピング/44.1kHz→PCM176.4k)】

PCM176.4kの音色はセパレーションが良く、各楽器が整理され、輪郭と定位に向上が感じられます。低域の聞こえ方が若干弱くなった印象がありますが、その他の要素が際立ったため目立たなくなったのように思います。アップサンプリングを行うことによる違和感は感じられず、ハイレゾ感が増しました。これは面白い。

【CDリッピング/44.1kHz→DSD2.8)】

演奏、歌声に生々しさが出てきます。やはりDSDの特徴である「アナログ感」が感じられ、落ち着いた演奏として耳に入ってきます。デジタルっぽさがDSDで中和され耳に馴染むという印象。

【CDリッピング/44.1kHz→DSD5.6)】

DSD2.8で聴いた「生々しさ」「アナログ感」に加え、低域がよりリアルなものへと変化しました。低域が強調されることにより全体的な躍動感が増し、聴く側の「ノリ」にも影響するような気配を感じます。

Cannonball Adderley – [Somethin’ Else CD1 #01] Autumn Leaves [44.1kHz/16bit/FLAC]

【CDリッピング/44.1kHz→PCM176.4k)】

PCM176.4kで非常にクリアーなサウンドに。いわゆる「ハイレゾサウンド」でイメージする音質です。アップサンプリング前よりも演奏の生々しさが感じられます。ややハイ上がりな印象があり、金属系の楽器や、弦の擦れる音などがリアルに迫ってくる感触です。

【CDリッピング/44.1kHz→DSD2.8)】

PCMで聴いたハイ上がりな傾向は減少し、アナログで聴いているかのような落ち着いた音色です。特にジャズなどでアコースティック系の楽器を聴く場合、アナログの雰囲気を醸造するDSDは相性が良いように思えます。

Yes – [Fragile #08] Mood for a day [192kHz/24bit/FLAC]

【192kHz/24bit→DSD11.2】

続いてはハイレゾ音源をDSDへ。DSDの最高峰となる11.2へリアルタイム変換して聴いてみます。アップサンプリングなしの96/24ではガット・ギターのナイロン弦が高密度/高解像な音の塊と化して聴こえてきます。これぞハイレゾと言うようなサウンド。ナイロン弦のアタック音等はリアルさを醸し出しながら迫力とともに迫ってきます。一方DSD11.2へアップコンバートを行うと、音の密度感は保たれたまま、ソフトな音質へと変化が見られます。キーワードとなる「アナログ感」「生々しさ」が付加され、非常に聴きやすい。ただし「解像感」は薄まり、好みが別れる部分かもしれません。

「めっちゃ耳が痛い」でおなじみのあの曲を出してくれ

同一音源の再生によるPCM(ハイレゾ)とDSDの音の変化。これはなかなか興味深いものです。もっと極端に、これらを体験する事はできないでしょうか?・・・という訳で、タマガワオーディオでは「めっちゃ耳が痛い」としてある種の地位を築いているJourney「When You Love a Woman」を急遽試聴ソフトに追加。ブルースペックCDからのリッピング音源を、PCM(ハイレゾ)/DSDで順番に再生していきます。

※硬い音は硬く表現されるのが本来の姿とも言えます。Journey「When You Love a Woman」は大きな音量で聴くと正直「耳が痛い」のですが、これはそういった収録の音源であるからで、以下のレポートはPCM(ハイレゾ)とDSDの音声フォーマットの優劣に言及しているわけではありません。

Journey – [The Essential Journey, Disc 1 CD1 #14] When You Love a Woman [44.1kHz/16bit/FLAC]

ピアノのイントロから始まり、スティーヴ・ペリーの歌声が入り、ピアノの伴奏が盛り上がりつつバンド全体の演奏が始まっていく導入部までを集中的に聴きます。音量は割りと大きめに設定し、我が耳の鍛錬とします。

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【Bypass/44.1kHz】(アップサンプリングなしのノーマルモード)

出ました。スティーヴ・ペリーがハイトーンになればなるほどに、歌声の音域が高く、声量が大きいほどに耳が痛いです。相変わらず良い具合で耳に刺さります。今回の試聴ではこのBypassをベンチマークとします。

【PCM176kHz】

全体的な解像感に向上がみられます。面白いことにピーク時の耳の痛みは44.1kHzとほぼ同等/又はやや強く感じられるような気もします。

【PCM192kHz】

192kHzでは違和感が減少しました。Bypassモードと比較して雑みが取れ、クリア感がアップ。各パートの音のセパレーションが良いからか、聴きやすくなり音の痛みはほぼ気にならないように感じます。素材の意図した音の方向性が分かるような気がします。

【DSD2.8】

さてDSD。痛みは感じますが、音の質感にはやはり変化が感じられます。解像感が薄れ、その代わりに音に厚みのようなものを聴きとることができます。

【DSD5.6】

DSD5.6へのアップコンバートでは、聴きやすいといえるレベルまで音質が変化。面白いですね。低域の厚みが増したようです。歌が始まった後のピアノの演奏で低域を「ドゥーン」と鳴らす箇所、その響きに広がりと厚みが加わりました。

*

PCM(ハイレゾ)とDSDを縦横無尽に渡り、好みのフォーマット/サンプリングレートを見つけていく作業は大変面白いものでした。今回の試聴と逆のベクトル、もっさりした眠たげな音源をPCM(ハイレゾ)/DSDにアップコンバートして聴き比べても面白い結果が得られそうです。

 

DSD音源をアップコンバート

今度はDSD音源をPCM、DSDの上位フォーマットへとリアルタイム変換してみます。

Lars Erstrand 「Lars Erstrand Sessions DSD128 #02」 Afternoon in Paris [5.6448MHz/24bit/DSD]

【DSD5.6→PCM384Hz】

音に輪郭が出てきました。定位も良くなり整理された演奏に。ソロパートを演奏する楽器にスポットが当てられたような印象をうけます。音の立ち上がりも向上します。シャキッとした演奏に感じられ、これはこれで好印象です。

【DSD5.6→DSD11.2】

DSD同士のアップコンバートなので音の傾向は同じですが、厚み/密度感は11.2の方がより感じられます。面白いのは、11.2の方がベースの音量が小さく感じられたこと。11.2では逆にシンバル、ハイハットなど金属系の音が5.6よりも大きく感じられました。この辺りはフォーマットなりの特性があるのでしょう。

AppleMusicのストリーミングをDSD5.6にしてしまおう

CDのリッピングでこれだけ楽しめるなら、楽曲データが莫大なAppleMusicの再生にもSWD-DA20を経由してみたらいいんじゃないだろうか?という訳でこちらも実験。

キャプチャ

ザ・ローリング・ストーンズ / Sticky Fingers (Super Deluxe) / I Got the Blues

【AppleMusic/44.1kHz→DSD5.6】

BypassモードでそのままAppleMusicを再生した場合、気になるのはボーカルのザラザラした感じと全体像の音の薄さです。ホーン・セクションも音量が上がり高い音程になるとザラザラした感じがします。DSD5.6にアップコンバートするとミック・ジャガーのボーカルに瑞々しさが出て、ホーン・セクションもある程度自然な感じで聴くことができます。

Filippa Giordano / Filippa Giordano / Ave Maria

【AppleMusic/44.1kHz→DSD5.6】

Bypassモードでのボーカルの線の細さとざらつき、オケの薄さがDSD5.6変換後は改善されました。ボーカルにはぬくもりが、演奏には厚みの加わったように感じます。音楽ストリーミングサービスのサンプリングレコートコンバーターによる高音質化は、ストリーミングサービスの将来的にも有望な使い方かもしれません。

Eels / Beautiful Freak / Flower

【AppleMusic/44.1kHz→DSD5.6】

ボーカルの質感が非常に変化することが感じられた一曲です。聴き疲れしないアナログ的な音質とリアリティの増した声。やばいです。このままずーっと音質をチェックしたくなってきちゃいました・・・。

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サンプリングレコートコンバーターの回路が優秀です

ここまでSWD-DA20のサンプリングレコートコンバーターを用い、様々な音源を様々なフォーマットに変換して試聴してきました。全体を通して感じたのは、SWD-DA20のサンプリングレコートコンバーターの性能の良さです。ノイズが乗ってしまうことや、音の広がり/スケール感が損なわれるなどの弊害がありません。

一つの音源を複数のフォーマットで聴ける楽しさ

好きな楽曲の音源は、様々な媒体、フォーマットで複数リリースされ、同じ曲を複数の形式で所有することも珍しくありません。好きだからこそ、色々なバージョンを聴いてみたくなるのは音楽愛好家の宿命とも言えますよね。それと同じように、機器を使って再生フォーマットを変えることにより、その曲に最適な再生方法を考えていく。これもまたオーディオの醍醐味だと思います。実際、今回の試聴でも「時間があればいくらでも試していられるなー」と感じていました。あの音源だとどうなるだろう?あっちの曲はこのフォーマットで・・・と。

前述したようにPCMにもDSDにも得意な部分、不得手な部分があります。また、それらを判断する私達にも音の好みがあります。自分の好きな音に近づくための引き出しは、多ければ多いほど楽しめるという事です。高性能なサンプリングレコートコンバーターは、その引き出しを増やすのに最適と言えるでしょう。

以上、お持ちの音源を存分に楽しみたい。そんな欲求に応えるSound WarriorのUSB-DAC「SWD-DA20」のご紹介でした!

■SOUND WARRIOR 高機能USB D/Aコンバーター SWD-DA20

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