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クリーン電源嫌いも黙らせる光城精工「Aray MKⅡ」の実力とは!?

オーディオを始めたころはキャラクターの強いアクセサリーをとっかえひっかえして音の変化を楽しみますが、キャリアを積むほどに色付けを排除する方向に変化し、最終的にたどり着くのは電源とルームアコースティックというオーディオファンは多いのではないでしょうか。そんなベテランのユーザーに支持される電源アクセサリーが光城精工のAray MKⅡです。その噂の実力を検証してみたいと思います。

DENKENやFirst cryといったブランド名で電源アクセサリーの分野で銘機を生み続けてきた光城精工の、現ラインナップにおける代表モデルがAray MKⅡです。クリーン電源には大きく分けて、交流電源を再生成するリジェネレータ方式と、磁気変換によりノイズを除去するトランス方式があります。リジェネレータ方式は大容量になると高価になるためプレーヤーやプリアンプなどの前段機器に、トランス方式は比較的安価に大容量化が可能なためパワーアンプなどに使われる傾向にあります。本機はリジェネレータ方式を採用していますが、出力容量1000VAを誇りますので超弩級でなければプリメインアンプやパワーアンプにも使えます。

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Aray MKⅡを含む光城精工のリジェネレータ方式の仕組みは、まず家庭用コンセントからの交流電源を整流/平滑回路で一旦直流にし、入力電源の平均化を行います。その後PWMインバータによる高い周波数でのスイッチング動作で矩形波に変換され、後段のローパスフィルターを経て綺麗な正弦波を作り出します。その出力波形はコントロール回路にフィードバック(帰還)され、安定化制御に使われます。その結果機材のポテンシャルが引き出され、透明感とエネルギッシュという相反する要素を両立した音を実現します。

噂の実力を徹底検証

試聴方法として以下の3パターンで比較することにしました。

(1)プレーヤーとプリメインアンプの電源を直接壁コンセントから取る方法
(2)プレーヤーとプリメインアンプの電源をAray MKⅡから取る方法
(3)プレーヤーをAray MKⅡから、アンプを壁コンから電源を取る方法

使用機材はプレーヤーにデノンのDCD-SX1、プリメインアンプに同じくデノンのPMA-SX1、スピーカーにLINNのMAJIK140という布陣です。

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試聴コンテンツはSHANTIの「SAVING ALL MY LOVE FOR YOU」、マーカスミラーの「BLAST」、スーパーギタートリオの「MEDITERRANEAN SUNDANCE/RIO ANCHO」とすべてCDで用意しました。

shanti free スーパーギタートリオ

(1)プレーヤーとプリメインアンプの電源を直接壁コンセントから取る

Aray MKⅡを使わずに直接壁コンセントからすべての機器の電源を取る方法で、素の状態を確認するために行います。これを基準にして比較検証したいと思います。

この状態で聴く「SAVING ALL MY LOVE FOR YOU」は冒頭の電子ピアノの音が硬くて耳に痛く、空間がイメージより狭い印象です。サ行の歪みはまずまずで、ベースの重みも及第点だと思いました。「BLAST」ではバスドラムは充分な重量感があるものの若干硬い感触です。マーカス・ミラーのベースは重低音がしっかり沈み、勢いも感じさせます。全体的にエネルギッシュな音で、この曲の魅力を充分表現しています。「MEDITERRANEAN SUNDANCE/RIO ANCHO」は空間は狭いものの、アコースティックギターのカッティングのキレも充分で、アル・ディ・メオラの演奏も熱く再現します。

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(2)プレーヤーとプリメインアンプの電源をAray MKⅡから取る

Aray MKⅡにプレーヤーとアンプの両方を繋ぎます。消費電力の大きいプリメインアンプを繋ぐことになりますが、Aray MKⅡの出力容量的にはまだまだ余裕があるので問題はありません。この後の(3)との違いが興味深いところです。

音を出してすぐに音の雰囲気が変わったことに気づきます。「SAVING ALL MY LOVE FOR YOU」を再生するとノイズフロアの下がった静寂な空間に音が立体的に浮かび上がります。電子ピアノは生々しく滑らかに変化し、声の肌理も細かくなり感情豊かに聴こえます。(1)で若干感じた喧しさも消えました。「BLAST」はバランス重視の優等生的な音で、(1)のような少々暴れ気味なニュアンスも欲しいと思ってしまいます。ただし、オーディオ的にはこちらの方が圧倒的にHi-Fiで、音の勢いは全く衰えません。「MEDITERRANEAN SUNDANCE/RIO ANCHO」はギターの胴鳴りが感じられるなど音色が豊かになり、ピッキングの細かなニュアンスも出てきます。カッティングは若干優しいタッチに変わり、全体的に上質なハイエンドの香りがしてきました。

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(3)プレーヤーをAray MKⅡから、アンプを壁コンから電源を取る

前段のプレーヤーのみAray MKⅡに繋ぐ、リジェネレータ方式のクリーン電源ではよく見られる接続例です。これはクリーン電源によるエネルギー感の減少を嫌うユーザーが多いためだと思われます。

「SAVING ALL MY LOVE FOR YOU」を聴いた印象は(2)に近いですが、若干効果は薄まった感じです。「BLAST」は1音1音が浮かび上がりつつ重低音の凄みが増し、3つの中では一番好みです。「MEDITERRANEAN SUNDANCE/RIO ANCHO」は弦が太くなったように音に張りが出ますが、繊細さはやや後退します。全体を通して(2)を聴いたときほどのインパクトは感じませんでした。

PerfectWave Power Plant3と比較

実は同時期にPS AudioのPerfectWave Power Plant3をお借りしていたので、簡単に比較してみようと同じシステムで試聴してみました。こちらもAray MKⅡと同様にリジェネレータ方式を採用していますが、クラス的にはやや下にになるのでそのあたりが差になって出るかもしれません。

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Aray MKⅡの時と同じコンテンツを聴いてみましたが、壁コン直よりも音の暴れが少なくなりバランスが良くなりました。音もエネルギッシュでAray MKⅡ同様弊害は感じません。ただ空間の立体的表現がもう一歩で、Aray MKⅡほどの音の変化は感じられませんでした。マイルドな効果を求める向きにおすすめかもしれません。

今回の検証を終えてAray MKⅡを使うならプレーヤーからアンプまですべての機材を繋ぎたいと思いました。その方がより効果が大きくなり、音質傾向に統一感が出ます。懸念されたエネルギー感や鮮度の低下は起きず、クリーン電源導入に伴う弊害は全く感じませんでした。

愛用するオーディオシステムの良さを殺さず、そのポテンシャルを引き出したいと考えるユーザーには自信を持っておすすめできる逸品です。

■KOJO TECHNOLOGY クリーン電源 Aray MKII

商品/価格等については以下のフォームよりお問合せ下さい。

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