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Nmode「X-PM7」をじっくりと聞き、その美しい音色にノックアウトされた!

某信頼筋のお取引き様より推薦されまして、今までお取り扱いのなかったNmodeの1bitプリメインアンプ「X-PM7 (標準価格 270,000円/税別)」のデモ機をお貸し出し頂きました。「誰も体験したことが無い未踏の1bit(DSD)領域へ(メーカーのホームページのキャッチコピーより)」とはどのようなものなのでしょうか?

空高く青空が晴れ渡った晩秋の日曜日、気分は晴れやかなままに店の試聴室にてNmode「X-PM7」をじっくりと聴きました。CDプレーヤーはmarantz「SA-10」、スピーカーはB&W「803 D3」という構成。早速箱を開くと品の良いシルバーボディのアンプ本体が現れました。フロントパネルの4角は斜めに切り込みのような角度がついており、シンプルながらも個性的な印象で好感が持てます。普通にCDからRCAケーブルで結線、スピーカーケーブルは「Hmode」を選択して接続します。(「X-PM7」にはスピーカー端子が片チャンネルで3つ、合計6つ付いているのですが、大型スピーカーを1m以上離れて聴くといったシチュエーションでは-(マイナス)側を「Hmode」に、ニアフィールドでは「Lmode」に結線するのだそうです。)

さてそれではという事で、当店定番の試聴評価用CDを用意して再生してみました。曲はJACINTHAの歌う「Moon River」。曲の大半がアカペラ状態のため、息遣いの生々しさなどから機器の表現力を窺えるのですが、歌い出しからして何やら独特の空気感が溢れ出します。まずS/Nが素晴らしく、音の透明度は新次元と感じさせるほどです。JACINTHAの甘味な優しい歌声が心地よく、思わず聞き惚れます。途中から入るピアノの演奏も美しく、この1曲は文句なしの再現力。いきなり「X-PM7」に太鼓判を押しそうになりつつも、気持ちを抑えて別ジャンルの曲も再生してみることにします。

もう少し音数の多い女性ボーカルもの、Jheena Lodwick「A Groovy Kind Of Love」を再生。パーカッションの胴の鳴りが深く、中低域もしっかりと鳴っている事がわかります。それにしても音が綺麗。本当に澄み渡っている感じがします。この曲は最後に重低音がフェードインしてくる箇所があり、低域の再生力のベンチマークにすることがあります。1bitアンプというと「音の線が細く力が低域は出てこないのでは?」といった先入観がありますが、「X-PM7」はしっかりと低域も鳴らしており心配はいりませんでした。

「X-PM7」をはじめとする1bit(DSD)アンプは「 SACDと同じ原理を用いたDSD信号を増幅したアンプ」と定義されています。

1bit(DSD)アンプは、 SACDと同じ原理を用いたDSD信号を増幅したアンプです。 現在でもほとんどのデジタルアンプがPWM方式の中、唯一無二DSDの(PDM)アンプといえます。しかし1bit(DSD)アンプは、そのサンプリングの高さから出力を得るために想像以上のノイズ処理と電源が必要です。 通常のデジタルアンプは、数10W得るのにもそのスイッチング周波数がさほど高くは無いため、ノイズ処理を含め比較的小さな電源でも高出力が得られます。
しかし、1bit(DSD)アンプは、サンプリング周波数と出力に比例して瞬間的な電流を要求します。2~5%程度が熱として放出されるほかには、殆どロスが無いのが1bit(DSD)方式のメリットですが、その分、出力に対して瞬間的に、100%近くの電流供給を要求するのです。その為、25Wとは言え、瞬間的なピークパワー電流を供給するだけの大型の電源が必要となりました。

これはデジタルアンプのAクラスアンプと言えるでしょう。 X-PM7では、NLDPT(Nmode Lossless DuplePower Technology)方式強化電源を新採用。現在当社が作れる出力の範囲でアナログのトランス電源に拘って設計をしています。出力こそ25W(4Ω)と大きくはありませんが、当社従来モデルの約4~5倍の電源容量を有しています。 又、電源回路には、低ESR、低インピーダンスの導電性高分子アルミ電界コンデンサーをふんだんに使用。あわせてショットキーダイオード等の高性能部品を使用して、電源トランスの大容量化とあわせて音質向上に寄与しています。

たった25Wされど25W、この範囲の中では、ただ出力のあるだけの100W、200Wのアンプにも駆動力で劣ることはありません。

http://www.nmode.jp/product/Nmode_third_X-PM7.html

確かに実際の聴感上でも駆動力で劣っている感じはありません。それでいて全体的に澄み切った美音が再生されるのですから、なんとも綺麗な音の連続に聴いている方もどんどん「本気モード」へとテンションが高まっていきます。定番ソングを続々と試聴していく中で、もう一点驚かされた事がありました。いわゆる「低域のスピード感」というものです。「デジタルアンプは低域のスピード感が良い」とよく言われますが、低域の量感がしっかりしているとこの部分の良さが更に際立ってきます。特にジャズやロックなどでは、リズム隊の演奏が生み出すグルーブ(ベースラインとバスドラのシンコペーションなど)が極めて心地よく「思わず体が動き出す」を地で行く感じなのです。「ああ、この低域だけでもずっと聴いていたい!」と思いました。

「SACDと同じ原理を用いたDSD信号を増幅したアンプ」という所にその肝があるのでしょう、音質自体は自然で優しく柔らかめです。スチール弦のアコースティック・ギターをかき鳴らす曲でも耳障りなノイズを感じることなく、ボリュームを上げてもきつく感じることはありませんでした。数々のアンプを試聴してきましたが、NILS JOFGRENのLIVE版を過去最大音量で再生しました。それでも変な耳障りな感じはなし!「X-PM7」すごい。

Nmodeを手がける株式会社リリックを創業したのは、元シャープにてSX100などの1bitアンプを手掛けた布村常夫氏。現在も脈々とその技術がブラッシュアップされて商品化され、そして非常に素晴らしいプロダクトになっているというのはもっと高く評価される事ではないかと思います。またそのようなバックボーンがあるからこそ、信頼性も高く安心感があります。

「X-PM7」は試聴する限りポップス、ロック、ジャズ、オーケストラ、パーカッション、女性ボーカル、ピアノ、和太鼓、合唱曲などなどいずれも美しく再生しますので、ジャンルを選ぶという事もないでしょう。従来のアンプに満足できず、自分に合ったアンプを探している方は一聴の価値があるかと思います。ご希望でしたら試聴機もご用意可能ですので、是非当店までお問い合わせを。

ちなみにこの試聴機は明日返却の予定なのですが、店からなくなるのが名残惜しい!そう感じる機器は本当に久しぶりでした!

 

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